重要だけどなかなか難しい 法人内連携

医療保険や介護保険、福祉の領域と今や病院だけで儲かる時代ではなく、医療・保険・福祉の連携の時代といわれています。それに伴い、病院だけでなく関連施設として、老人保健施設や訪問看護ステーション等の施設をつくったり、介護保険の連携として地域連携室とかケアマネ事業所などを併設している病院は多くなっています。

しかし、同一法人だからといってスムースに連携できているわけではないように思います。

なぜ同一法人なのに、うまく連携できないのでしょうか?

法人内での連携を阻害している要因はいくつかあります。

  • 法人内での人事交流の乏しさ
  • 法人内でのでのパワーバランスの格差
  • 部門間の駆け引き

等である。

法人内での人事交流の乏しさ

法人内に複数の事業所や施設がある場合、お互いの業務内容をそれぞれの施設が把握できていると、法人内連係はスムースに行われる。しかしながら、私の経験では、スムースな連携がうまく行われていない法人のほうが多いようです。

お互いの施設で人事交流などが活発に行われると、それぞれの施設の特徴を知ることができ、いい連携ができると思うのですが、なかなか人事交流は難しい。

とくに、看護部門の人事交流を阻害している要因として

  • 短期での離職
  • 経験あるスタッフの少なさ
  • 産休や育休
  • 施設による業務内容の違い

等の理由が挙げられる・
しかし、人事交流が活発に行われるほどそれぞれの職種において、法人内事業所の事情が理解され情報の伝達や、それぞれの事業所のメリットを発揮した運営が可能となるのである。

だから、看護師だけでなく他職種を含めた人事交流が必要となるが、看護師よりも職員数が少ないそのほかの職種では、さらに人事交流は難しい。

法人内でのパワーバランスの格差

法人内で後からできた事業所に配属されている職員の役職は、法人内でどれくらいの位置にいるのでしょうか?

特に後発の事業所への配置転換が「左遷」ではないかとスタッフ間でささやかれるようなら問題である。そんな風にささやかれてしまうと、配属されたスタッフのやる気や意欲がなくなってしまうものですよね。

私が病院から老人保健施設に異動になった時も、新しくできた老人保健施設への異動に対して拒否する看護師さんは多くいました。

だから、力のある管理職が後発の事業所へと異動し力を発揮して「あの事業所に行けば自分の力を発揮できる」 と法人内の職員が感じることができるような思い切った人事交流が必要だと考えます。できることなら特定の職種だけでなく、複数の職種の管理職に力のある人材を充てることが望ましいんですよね。

部門間(職種間)の駆け引き

看護部門でも

  • 病院
  • 老人保健施設
  • 訪問看護ステーション

病院では、看護師の上司や部下は看護師さんです。

でも老人保健施設などでは看護師の部下はリハビリスタッフであったり、介護職であったりします。

病院での指示命令系統とは少し違った上下関係になってきます。

お互いに、それまでの同じ職種同士の上下関係とは異なる上下関係での業務にやりにくさを感じているのだと思います。そのためになかなかうまく連携できていない。

スムースな法人内連係のためには

  • 積極的な人事交流
  • 力のある管理職の人事交流
  • 管理職に対しての管理業務研修

お互いの施設のことを理解するには、人事交流が欠かせません。一般職員が「左遷」と思わないようにするには、人事交流、特に法人内の実力者の人事交流が必要です。

それと医療業界でなかなか、実施されていない業務管理とか人事管理に関する研修会を積極的に行ってほしいです。

キャリアだけで人事管理ができる時代はもう終わりです。特に医療業界、看護師業界はキャリアだけで昇進できる病院も多いようです。人事管理のイロハをご存じないようでは、人事管理はできないと思います。

そこに力を入れている病院は、法人内連係 がスムースに行われるのではないでしょうか?

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