回復期リハビリテーション病棟でのカンファレンスのこと


回復期リハ病院では入院患者さんのカンファレンスってありますよね。入院時とか退院時とか、目標設定とかいろいろ実施されていると思います。作業療法士の立場から、カンファレンスのことや、看護師さんはこんなところをリハビリスタッフにつっこまなアカンやんみたいなことを書いてみたいと思います。

※2017年10月27日追記

カンファレンスの目的

まずカンファレンスの目的を整理しておきましょう。

看護部のみで開催するものではなく、他部署との合同カンファレンスのテーマというと

  • 入院期間の決定
  • 入院中の目標の設定
  • 専門職種ごとの役割分担の明確化
  • 現時点の患者さんの情報交換

こういったテーマでカンファレンスが開催されることが多いと思います。

なかでも情報交換と役割分担の明確化が多職種が関わることの多い回復期リハビリテーション病棟では重要なテーマだと考えています。

医師、看護師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、介護職、相談員、(退院時なら)ケアマネ、地域支援相談員、訪問看護ステーションなど多くのスタッフが関わるので、情報交換と枠割分担が重要となってくるわけです。
リハビリテーション部は療法士としての方針や考えを、看護師は看護部としての方針や考えを述べるのがカンファレンスなのです。

それぞれの職種が現時点での実践内容だけを報告するのでは意味がありません。
これからの方向性を検討することが重要なんです

専門用語を連発するダメなリハスタッフ

私の経験では、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士はとかく専門用語を使いたがる傾向があるように思います。リハビリテーション部内でのカンファレンスならそれでもかまわないのですが、他部署とのカンファレンスで専門用語連発するのは他職種と連携をする意識がないのではないかと思います。

リハビリテーション関係者だけで通じる専門用語を連発しても、多職種が参加しているカンファレンスで、自分たちにしか理解できないような、専門用語連発の報告をしてくるリハスタッフってちょっと問題だなあって思います。

本来カンファレンスは

『他職種対してリハビリテーションスタッフが何をしているのかを理解してもらうチャンスなんですよ。絶好のリハビリアピールタイム。連携を深める一歩です。』

それなのに、専門用語全開でガンガン説明している、理学療法士や作業療法士、言語聴覚士は多いようです。

結局、リハビリってなにしてんのかなあ?

で、終わってしまいます。

分からないことはきちんと確認しましょう

作業療法士の私も、まあ入職した時には「ハルン」とか「kot」ってなに?

って病棟の申し送りで感じていました。

それぞれの職種にはそれぞれの職種でしか通じないけれど、自分たちでは日常用語として使っているので、他職種が理解しないとは思わなかったってことはよくあります。

だから、専門用語を連発するリハビリスタッフの中には、自分たちの報告を他職種の方が理解していないという事に気づいていないスタッフも多いのです。

そういうスタッフに対して看護師さんははきちんと報告内容の確認をしてほしい。

そもそもカンファレンスでは、情報の共有、役割分担の明確化 が必須なのにもかかわらず、専門用語の連発で、情報を共有できなければ、カンファレンスの目的が果たせないということになります。

専門用語で理解できない用語があれば、カンファレンスの場できちんと確認してほしいと思います。
その場で確認するのが恥ずかしければ、後ほど詰所などで担当の理学療法士や作業療法士などに確認すればよいのではないでしょうか?

大事なのは 情報の共有 なんですよ。 他部署と情報を共有することで、より自分の役割が明確になるし、自分の知らない他部署の情報を知ることで患者さんへの病棟での関わり方を修正することにもつながる。

でも、理学療法士や作業療法士、言語聴覚士からの情報発信が専門用語だらけで他部署に全く理解されていなかったら、リハビリテーションで行っていることが、日常の生活にまったく活かされないことになってしまいますよね。

自分の能力を誇示するような、専門用語だらけのカンファレンスよりも、相手に伝わることを意識したカンファレンスの方が、相手からは注目されると思う。

でも、そんな基本的なことに気づいていない、自分に陶酔しているかのようなリハビリスタッフって結構多いんじゃあないかな。

相互の確認の積み重ねが、より良いカンファレンスを形成する

自分の知らないことを、相手に聞くことって勇気がいることだと思います。

「こっちの方が知識が低いのかも?」

って言う不安が付きまといますよね。

でもそういったことが理由で、カンファレンスでわからなかったことを放置することによるしわ寄せは必ず 入院している患者さん に向かうことになります。

きちんと情報を共有できれば、お互いの情報を、それぞれの領域で生かすことができる。

でも、形式だけでわからないことを放置しているようなカンファレンスでは、患者さんのQOLの向上には貢献しないのです。

知らないことを確認し合って、お互いの足りないものを補い合っていくようにすることが、より良いカンファレンスを築いていくのだと思います。

だからわからないことは必ず、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士に確認しましょう。わからない事を放置して置くことのデメリットは、必ず患者さんの不利益になるからです。

  • 専門用語の意味の確認
  • 今やっているリハビリ内容の確認
  • 病棟で活かせる情報の確認

せっかくのカンファレンス、有効活用しましょう。

病棟で実践すべきこと

回復期リハ病棟での患者さんの生活をより向上させるために必要なことは、

  • リハビリで実践していることを病棟生活に適応させること
  • 病棟での生活スタイルが退院後の在宅生活に活かせること

リハ専門職はマンツーマンで患者さんに関わります。しかし看護師はチームで関わりマンツーマンで関わることのできる時間はわずかです。

それは退院後の在宅生活でも同じで、家族も患者さんに付きっ切りというわけにはいかないのです。

だからマンツーマンで行っているリハビリテーションをどのような形で普段の生活の中でも応用することが出来るかというアプローチを病棟で考えることが必要になってくるのです。

  • 患者さん自身で出来る能力はいつでも実践
  • 介助が必要なことは介助量を減らす方向へ

そのためのかかわり方をリハスタッフと看護師サイドできっちり話し合うことが必要です。

カンファレンスで最も重要なことは

  • リハビリテーションでの実践を病棟生活にも生かすことのできる落としどころを見つける事
  • 看護師がチームとして看護師が実践できることを考える事


です。

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