強みを持っている訪問看護ステーションが生き残る

機能強化型訪問看護ステーションについては11月の記事に書いているが、これが実施されると医療法人が中心になって設立しているような、規模の大きな訪問看護ステーションや同一法人内に複数の事業所を抱えているような訪問看護ステーションが生き残るのではないかとその記事では私見を書いた。そのことについてもう少し、書いてみたい。


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機能強化型訪問看護ステーション

以前に書いた記事では

このことについては、厚労省の 中央社会保険医療協議会総会 に詳しく資料が掲載されています。

訪問看護ステーションの設立数はここ数年であまり増えていない。

病院の看護基準の変更などに伴い、訪問看護ステーションに人材を出す余裕のない病院などは訪問看護ステーションを閉鎖するなどして、看護基準を維持するようにしていることなどもその要因であると聞いている。

リンク先の資料にも掲載されているが、訪問看護ステーションの規模が大きいほど営業収支が黒字化する傾向にある。

それは、リハビリテーションをメインにしている、私が勤務しているような訪問看護ステーションにおいても同様の傾向がある。利用者さんが多ければステーションの収入も増える。スタッフが多いということはその分、利用者が増えるからだ。

逆に言えば、スタッフの少ない事業所の収支はトントンか赤字傾向にある。

職員数が多いほうが黒字化する訪問看護ステーションのほうが多い。だから職員数が少ない訪問看護ステーションは収支がトントンもしくは赤字が続いて閉鎖せざるを得ないような傾向がある。

おそらくこの傾向は、機能強化型訪問看護ステーションが実現しても大きくは変わらないと思う。ましてや、機能強化型によって介護士専門員を配置したり、サテライトによって規模を大きくしたりするような展開をするには資金力がある程度ないと対応できない。

そのようなことから、機能強化型訪問看護ステーションは大きな規模ほど有利になるのではないかと私は考えています。

じゃあ、小さな独立系の訪問看護ステーションは、太刀打ちできないのかって言うと、普通の訪問看護ステーションのままでは生き残れないと思います。

 

小さな訪問看護ステーションでも生き残る

機能強化型訪問看護ステーションに移行するかどうかはともかく、規模の大きな訪問看護ステーションでなくても、これからの時代に生き残ることは可能であると考えています。普通のことをやっていたのでは生き残れません。

強みを持っているステーションが生き残る

高齢者が増え、小児等の介護保険ではなく医療保険適用の方もこれからはどんどん地域で生活するようになります。

これは国の施策として病院での入院期間がどんどん短縮しているからです。そうなるといろんな領域の疾患の方が地域に戻ってくることになります。

  • 緩和ケアを必要とする方
  • 超重症児などの小児領域のかた
  • 難病の方
  • 精神疾患の方

等々どのようなジャンルでも、在宅で生活するようになってくるのです。

そういった方に対しても、積極的に訪問できるような強みを持っている訪問看護ステーションは生き残っていくチャンスがあるのではないでしょうか?

スペシャリストを抱えている

何らかのスペシャリストを抱えて、特定の強みを発揮できる訪問看護ステーションなら、これからの介護保険や医療保険の改定に対しても慌てることなく、患者さんを確保できるのではないでしょうか?

そのスペシャリストだけが訪問に力を発揮するというのではなく、スペシャリストは他のスタッフを積極的に教育することでその訪問看護ステーションの力を引き上げることになるからです。

通常の訪問にも力を入れながら、特定の領域に強みを持っているステーションなら生き残っていける。

リハビリテーションも地域では強みになる

作業療法士の私としては、訪問看護ステーションの生き残りにはリハビリテーションも貢献できるのではないかと考えている。

回復期リハビリテーションで入院できる期間は限られている、在宅でリハビリテーションを必要としている対象者は多くいる。しかしながらこの領域で働いている理学療法士、作業療法士、言語聴覚士は非常に少ない。

だから、訪問看護ステーションでは看護師さんがリハビリテーションに関わることになる。

私の勤務先でも、私は看護師さんと同行訪問して看護師さんに対してリハビリテーションのアドバイスを行っている。

そういった看護師が行うリハビリテーションも地域では重要なのである。

理学療法士や作業療法士、言語聴覚士が地域で不足しているから、看護師さんとの協力は不可欠なのである。

そうした、リハビリテーションスタッフを抱えている訪問看護ステーションは、積極的にリハビリも取り入れた看護を展開していくことで、これからの時代生き残っていけるのではないでしょうか?

とにかく、いろんな思惑が交錯している機能強化型訪問看護ステーションですが、強みを持っている訪問看護ステーションはなら、そういった施策に左右されることなく生き残っていけると感じています。

(2014.3.12.追記)
機能強化型訪問看護ステーションの算定要件などはこちらにまとめました
機能強化型訪問看護ステーションの算定要件が出ました

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