回復期リハ病棟での看護師長さんの役割(1)病棟ライフを一考する


関東の方の回復期リハ病院の師長さんからリクエストがあったので書いてみる。リハビリテーション部門のトップはセラピストだけど、病棟のトップは看護師長。そんな回復期リハ病棟で師長が出来る事。

ここに書いていることの半分くらいは、わたしが定期的にケースカンファレンスのアドバイザーとして関わっている病院の師長さんが実践してくれていることだ。リハ部門のケース検討会であるカンファレンスに時間の許す範囲で病棟の師長さんが参加してくれている。師長さんの協力があれば病棟生活は大きく変わる。

活動と参加って知ってますか?

私の運営するリハ職向けのブログで繰り返し書いていること。

これからのリハビリテーションは退院後の生活を見越した関わりをすることが求められています。

看護領域においても退院支援の役割を担う部門に専属のナースが配置されたりするようになってきたのもそのためです。

退院後の生活のことを考えて入院時にリハビリテーションを実践することが求められています。

そのためには、理学療法士や作業療法士、言語聴覚士が行っているリハビリテーションだけでは不十分なのです。リハ専門職が行っているリハビリテーションは1日のうち多くても3時間程度。残りの21時間は病棟で過ごします。

在宅に戻ればリハビリテーションの時間は激減します。

入院時も退院してからも、リハ専門職が関わっていない時間帯の方が圧倒的に多いのです。

病院でパジャマのまま一日過ごしている患者さんが、退院後突然朝起きてパジャマから普段着に着替えるような生活をすると思っていますか?

そんなことはありません。私が訪問リハビリで関わっている患者さんの多くはパジャマのまま過ごしています。

入院中の非日常的な生活サイクルが退院後も繰り返されるのです。

退院後にその人らしい生活を行うことが退院目標なのであれば、入院中多くの時間を過ごす病棟での生活スタイルを大きく変えることが必要なのです。

退院後の生活をリアルに見る

回復期リハ病院の師長さんって、退院後の患者さんがどんな生活をしているのかってことを研修会などの座学ではなく、近隣の訪問看護ステーションなどのスタッフと一緒に同行するなどして、リアルな生活場面を見たことがありますか?

もしくは、同じ病院で訪問リハビリをやっているところなら、セラピストに同行して退院後の患者さんの訪問リハ場面を見たことがありますか?

リアルにご覧になる生活はどんな感じでしょうか?

退院後の患者さんの生活を考えるには退院後の生活を肌で感じることが必要です。

そうして、現在の病棟運営を考える必要があるのではないでしょうか?

病棟生活は活気がありますか?

理学療法や作業療法、言語療法以外の時間、患者さんたちはどんな風に過ごしていますか?

リハビリ以外の時間に患者さんが、何か活動をする時間は病棟の中にありますか?

「臥床しているよりは、車いすに座っていてほしい。」

「車いすに座っているよりは、普通の椅子に座っていてほしい。」

カンファレンスでよく聞く言葉です。でもすることが何もないのに、ボーっと座っているだけで楽しいですか?

せめて雑誌や新聞をテーブルに広げて読んだりするくらいはできませんか?

作業療法士と相談して、テーブルを使って何か作品を作ったりすることはできませんか?

患者さんがアクティブに生活をするには、仕掛けつくりが必要になってきます。

離床を促したいのであれば、患者さんが離床したくなるような仕掛けが必要なのです。

コーヒーメーカーでコーヒーを淹れる

匂いにつられて患者さんが集まってくるかもしれませんね。

研修会で使っているプロジェクターで映画を映す

プロジェクターのない病院なんてないでしょう。音につられて人が集まるかもしれませんね。

編み物してる人がいる

一緒にやりたくなる患者さんが出てくるかもしれませんね。

何でもいいんです。患者さん自身が動きたくなるような仕掛けが必要なのです。

リハビリテーションはしてもらうものではない

リハビリテーションっていうものは、やりたいことが出来るようになるために自分ですることであって、理学療法士や作業療法士さんに手や足を動かしてもらうような感じでしてもらうものではないのです。

入院しているといつの間にか、してもらうことが当たり前になります。

だから退院が不安になるのです。リハビリをしてもらえなくなるからです。

そうではなくて、自分でも機能を維持するために積極的に活動することが必要なんです。

その活動を病棟で展開できることが理想だと思っています。

師長さんの判断

病棟で何か実施するとなると、ある程度の裁量が必要になります。

病棟生活に何らかの刺激を与えるような活動を展開できるかどうかということの判断の是非は師長さんレベルでしか判断のできないことです。

活動と参加を考慮したリハビリテーションの実践

には師長さんの協力が不可欠なのです。

病棟の作業療法士さんとぜひ相談しながら、病棟での生活を見直してみませんか?

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