回復期リハビリテーション病棟に入院してきた患者さんの、入院時の評価ってきちんとできていますか?病棟の看護師さんが実施すべきリハビリテーション的な視点の評価について書いてみました。
リスク管理の視点から考えてみると、入院したばかりの患者さんが事故に合うリスクを軽減するための評価をしっかりと実施すべき必要があります。
回復期リハビリテーション病棟に入院する多くの患者さんは、脳卒中等の脳血管疾患、大腿骨などの骨折の患者さんが中心です。そのため、車いすとベッド間の移乗動作、トイレでの移乗動作など、以上に伴う転倒事故の予防が重要です。そして、食事に伴う誤嚥や誤飲などの予防等を初日に確認しておくことで、リスクをかなり軽減することができます。
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移乗動作の確認
- 車いすとベッド間の移乗
- トイレでの移乗
回復期リハビリテーション病棟では多くの患者さんが車いすを利用しています。そうすると車椅子から別の場所に移動するたびに移乗しなければなりません。歩いている患者さんに比べると転倒の可能性が高いと言えます。
急性期病院からの転院サマリーに 移乗動作自立 という記載があっても油断することなく実際に目で見て確認することが重要です。
移乗動作が自立しているのかどうかのポイントとしては
- 車いすのブレーキを忘れずに操作している
- フットプレートを上げてから移乗している
- 車いすとベッド、車いすのトイレなどの位置や距離が適切である
- 手すりやベッド柵などをしっかりと把持できている
- ふらつかずに移乗できる
このようなポイントをクリアーできていれば自立していると判断できます。逆にこれらのポイントがしっかりできていない場合、移乗に失敗する可能性が高くなります。その場合は、監視もしくは介助が必要と判断することになります。
もし可能であれば、入院初日に複数回は移乗動作を確認することをお勧めします。一度だけの確認では、たまたま成功したってことがあるからです。2度3度確認して、しっかり移乗できていれば転倒するリスクはかなり低いと言えます。
座位バランスの確認
車いすに座っていれば安全ってことはありません。座位バランスが不安定な患者さんの場合、車いすに座り続けることができず徐々に姿勢が崩れる場合があります。
- 入院時の情報をとっている間、安定して座っていることができる
- 廊下などを移動している間も姿勢が崩れない
少なくともこれくらいは安定して座ることができないようであれば、入院したての患者さんを一人で過ごさせることはできません。
むせや嚥下の確認
食事で誤嚥や誤飲を避けることは重要な評価です。
入院初日にきちんと食事をとることができているのかどうかということは、しっかりと確認すべき事項なのです。
重症患者さんの場合、適切な食事形態であるのかどうかも確認する必要があります。言語聴覚士がいる病院であれば、入院初日に言語聴覚士とともに摂食状況を確認するほうが、よりベストな評価と言えます。
リスクを軽減するための評価を初日に実施する
- 移乗や座位バランスの確認は転倒や転落のリスクを軽減
- 食事の確認は誤嚥・誤飲のリスクを軽減
初日に評価を必ず実施しないといけないのは、大きな事故につながる可能性のあるリスクを軽減するために実施すべき事柄なのです。
回復期リハビリテーション病棟に入院してくる患者さんの多くは、急性期での治療を終えあとはリハビリテーションが中心の治療となる方がほとんどです。ですので、病気に起因するリスクよりも、行動に起因するリスクの方が多い状態にあります。
そのため、日中のADLに関するリスクの軽減を図るための評価を初日に行うのです。
そうすることで、リスクの高い患者さんに対してしっかりと注意を向けることができるのです。
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