回復期リハビリテーション病院を退院した患者さんの、退院後のリハビリテーション事情をご存知ですか? 回復期リハビリ病院のリハビリテーションの基本パターンと、退院先である老健やデイサービス、デイケアのリハビリの基本パターンは違うんですよ!
回復期リハビリテーション病院のリハビリ
基本的に回復期リハビリ病院ではPT、OT、STの担当者が最大60分ずつのリハビリを毎日実施するのがパターンですよね。
最近は保険点数をより多くとるために、365日リハビリテーション体制をとっている回復期リハ病院も多くなってきているので、土日に関係なくマンツーマンのリハビリを実施しているところも増えてきています。
40分や60分のリハビリをマンツーマンで毎日しているっていうのが回復期リハビリの基本なんですよね。
退院後や転院先のリハビリテーションの実際
回復期リハビリを退院して、その後リハビリを受けたいって方も多いですよね。老人保健施設に転院したり、自宅に戻ってデイケアやデイサービスを利用されることになる方もおられます。
どこでリハビリを受けるにしても、回復期リハ病院のような毎日60分のマンツーマンリハビリテーションを提供するのはほぼ無理なんですよね。
制度の違いや、人員配置の違いなどもあり、老健やデイサービス、デイケア―の経営者ががんばってリハビリテーションスタッフの雇用に力を入れている施設であっても、60分マンツーマンを提供するのはかなり厳しいんです。(現在の制度ではほぼ無理)
介護保険系の施設では20分のリハビリサービスの提供っていうのが基本パターンなんです。制度上そのようになっています。
制度的にも、回復期リハビリテーション病棟のような人員配置基準が法的に明記されている施設は、他にはないのです。
老健やデイサービスで法的に定められている理学療法士や作業療法士言語聴覚士などのリハビリスタッフの配置基準は、回復期リハビリテーション病棟の基準と比べると、本当に少数なんです。
そのような、事情をきちんと把握していない回復期リハ病院のスタッフである、セラピストや看護師、相談員さんが退院や転院を控えている利用者さんやご家族に言っている間違った一言がこれです。
「退院してもきちんとリハビリを受けられますよ」
このような説明をする方が非常に多いので、退院後のリハビリテーションを行っている施設では大変困っています。
回復期リハビリテーション病院に入院している方の
「きちんとリハビリを受けられる」
っていうのは、今現在受けているリハビリテーションの内容、具体的には60分マンツーマン、毎日のリハビリっていうのが基本なわけですよね。
「退院してもきちんとリハビリを受けられますよ」
っていう説明をすると転院先でも毎日マンツーマンのリハビリテーションを受けることができるって勘違いされてしまいます。
前述しているように、法的な配置基準の違いがあって、がんばって理学療法士や作業療法士、言語聴覚士を雇用している施設でも回復期リハビリテーション病院のような配置は無理なんです。
だから、転院先でのリハビリテーションは多くても20分程度のものが週2回くらい。
私も老健で働いていたときには「病院のようなリハビリの提供は困難です」と何度も説明しました。
ご家族さんや本人さんたちのショックもすごく大きいようです。
正しい情報を伝えてほしい
回復期リハビリテーション病院に入院されているかたの多くは、病院の近隣の方が多いと思いいます。だから、転院先や退院先で利用する施設や介護保険のサービス事業所も、近隣の施設がほとんどだと思います。
遠くの施設の情報ならなかなか集められないと思うのですが、近隣の施設の情報ならしっかりと確認することができるはず。
近隣の施設のリハビリテーション事情をきちんと把握したうえで退院や転院の助言やアドバイスをしてもらてると、退院や転院先である老健やデイサービス、デイケアのリハビリスタッフも困ることがないと思います。
ホンマ頼みます。
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