2015年(平成27年度の)介護報酬の改定でいくつか新設されている報酬がある。訪問看護ステーションで新設されたものに「看護体制強化加算」というものがある。その加算のことについて書いてみた。
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加算の要件
看護体制強化加算は300単位/月の加算となるので、微妙に軽減された訪問看護の基本単位数を補えるのではないかな。
加算の要件は次の通り
※ 算定要件等
○次に掲げる基準のいずれにも適合すること。
- 算定日が属する月の前3月において、指定訪問看護事業所における利用者の総数のうち、緊急時訪問看護加算を算定した利用者の占める割合が100分の50以上であること。
- 算定日が属する月の前3月において、指定訪問看護事業所における利用者の総数のうち、特別管理加算を算定した利用者の占める割合が100分の30以上であること。
- 算定日が属する月の前12 月において、指定訪問看護事業所におけるターミナルケア加算を算定した利用者が1名以上であること(介護予防を除く)。
上記のようになっています。
訪問看護ステーションの利用者の状況というか利用者層によって異なりますが、ものすごく高いハードルではないように思いますがいかがなんでしょうか?ガン末期とか状態不安定な利用者さんが多いと算定しやすくなるのかな。
訪問看護ステーションにはいくつか加算がありますが、本体の単位数は下がっているので、加算を何にもとらない事業所はその分減収になりますね。
減収分を加算で補えるかどうかってところがポイントになってくるかな。
医療保険の診療報酬の改定は2015年度はありませんので、医療保険での訪問の方が多い事業所なら減収の幅を小さくすることができるかな。
リハビリ系の訪問看護ステーションは減収
訪問看護の単位数も減点となりましたが、それよりも大きく減点となったのが訪問看護ステーションからの理学療法士、作業療法士、言語聴覚士の減点です。
318単位/20分が302単位/20分へ減点されていますね。
リハビリテーションの訪問が事業所の大きな柱になっていて、看護師さんの訪問数が少ない事業所の場合、看護体制強化加算を中心に、その他の加算の算定も難しい事業所が多いので、かなりの減収になることが予想されます。
リハビリテーションが事業収入の中心となっている訪問看護ステーションは方針を転換しないと今後も厳しい経営が予想されます。
- 看護師による訪問を増やす
- 看護師による24時間の訪問体制を整える
- 診療報酬・介護報酬以外の収益事業を開始する
自分たちで自分たちの訪問の価格を設定することができないので、今後も国の方針で右往左往することを避けるためには介護報酬や診療報酬に頼ることのない収益の柱を作ることが急務です。
児童デイサービスなどを開始している訪問看護ステーションも増えてきていますが、児童デイも国の考え方により収益は左右されることになります。
複数の事業の柱を立てて、一つの事業に特化しない経営が必要となってきます。
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2018年同時改定や2025年問題、地域包括ケアシステム、子どものリハビリテーション、そんなテーマでさらに価値あるコラムを書いています。今お読みのブログからスピンオフして、2016年から始めた新しい形のサイトです。
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初めまして。
現在、病院勤務しているPTです。
(病院からの訪問リハビリも行っています。)
今回の介護報酬改定を見ていると、
国の思惑としては、
『訪問看護ステーションからのPT・OT・STによる訪問リハビリ』に
制限をかけたいように見えます。
要は、訪問リハビリは、PT・OT・STじゃなくても、看護師がリハビリ
を行うのでいいだろう、と言われているようにも感じてしまいます。
(個人的にはそんな訳ない、とは思ってますが…)
今回改定で既に点数は下げられ、
マネジメント加算や短期集中加算が算定できない分、
病院からの訪問リハビリと差別化されています。
3年後の事を妄想すると、
さらに点数は下げられ、
PT・OT・STが行う訪問リハビリは訪問看護からではなく、
病院などの事業所しか行えないような点数になるんじゃないか…と。
訪問看護ステーション自体は、今後、需要は増えると思っている
のですが、あくまで看護師が必要なだけで、逆に、PT・OT・STは、
ステーションから不要となっていくのではないか、という不安があります。
実は、いろんな事情で、転職を考えていますが、
就職先として、訪問看護ステーションも候補として考えています。
どこに就職しても安泰ということはなく、
国の政策に左右されることは十分に理解していますが、
訪問看護ステーションに勤められている立場から、
今後の、訪問看護ステーションへのPT・OT・STの就職を
どうお考えですか?
正直、おすすめできない、とお考えでしょうか?
何か、ご意見、アドバイスなどあれば、よろしくお願い致します。
長文、失礼いたしました。
追記ですが、
そもそも、『訪問看護ステーションからの訪問リハビリ』は看護師が行うもので、PT・OT・STが行く場合はそれを代行している、と位置付けられている、と厚生労働省の文言にも明記されているので、
今後、代行はいらなくなっていくのでは…と余計に思ってしまいます。
サムさんへ
文面から読むとセラピストさんなんですね。
厚生労働省の文言はどこに掲載されているのかな?「代行」っていう文言は見たことないですよ。
これからの転職の領域についてですが、訪問看護ステーションを検討する場合ですが私的な意見としては、看護師が中心のステーションで働くならメリットは大きいと思いますよ。
制度の変更はこれからもついて回るものです。
今回の制度改定でも、セラピストが私一人というステーションの場合事業所として大きな減収にはなっていませんが、セラピスト中心の事業所の場合の減収は大きいようです。
地域では、リハと看護師が共同して対応するほうがよい利用者さんは多くいます。だけど、リハビリが中心のステーションでは看護師が少なめでそのような対応ができな事業所もあります。
かといって、看護師だけのステーションでもリハビリが必要な利用者さんへの対応は不十分です。
だから、看護師だけのステーションにセラピストとして勤務して、看護師と協力しながら業務を遂行することに大きな意味があると思っています。
病院から転職するセラピストの場合、1人職場への不安が強くセラピスト中心のステーションを選択する方が多いのですが、個人的には1人職場のほうが職場としてのメリットは大きいのではないかと思います。
ご参考になれば幸いです。
私は現在、病院勤務している理学療法士です。
早速のご返答、ありがとうございます。
検討中なのは、看護師が中心のステーションです。
制度が変更して経営が苦しくなった時に、看護師は介護報酬が得られ、セラピストは得られないという図式になると、看護師は守られ、セラピストは使い捨てられやしないか、という不安がよぎったので質問をさせていただきました。
でも、そうですね。
やまださんのおっしゃることもよくわかります。
報酬を得られるかということよりも、そこに必要な人材になれればいいと考えたいですね。経営者の思惑もあるでしょうけどね。
訪問看護ステーションに努めるセラピストの知人がいなかったので、質問させていただき、大変、参考になりました。
ありがとうございました。
ちなみに、厚生労働省の文言の件ですが、「代行という言葉はありませんが、内容的には同様と思われることが記載されています。
以下に抜粋。
⑷ 理学療法士等の訪問について
理学療法等による訪問看護は、その訪問が看護業務の一環としてのリハビリテーションを中心としたものである場合に、看護職員の代わりに訪問させるという位置付けのものである。
元はコチラ↓の339頁の右下です。
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r985200000239zd-att/2r98520000023drf.pdf
追記…
厚生労働省の文言の件ですが、大変古いものでした。
最新のでは、この文章は載っていないようです。
当初はそういう意味合いが強かったということですね。
勘違いをしておりました。大変、申し訳ありません。