KYTについて書いた過去記事がよく読まれている。だから、もう少しKYTについて書いてみたい。看護師さんだけでなく理学療法士や作業療法士、言語聴覚士等の医療従事者なら理解しておいてほしいKYTのことを書いてみた。
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KY(危険予知)はいつ実践するのか?
研修会で時々聞かれる質問の1つだ。
「KYはいつ実践するのですか?」
と聞かれる。
せっかくKYTの研修を受けてもこのような質問が出てしまうのは、私が講義できちんと伝えられていないんだろうなと、反省する瞬間だ。
基本的にKY(危険予知や危険予測)は常に実施しているもの
危険予知や危険予測と言うものは常に実行されるべきものであって、決まった時間なんかに実質されるものではないんだ。
看護師や医療従事者として病院やっぱり施設で働いている間は、常にKY(危険予知)をしている状態。だからこそ、トラブルや医療事故を未然に防ぐための行動がとれるのである。
だからこそ観察が重要
観察というか「見る」「見て考える」と言う行為がKYには必要となる。
研修会でも同じ場面のイラストや写真を見ても、たくさんの危険を予測できるスタッフと、ほとんど予測できないスタッフがいる。
同じ場面で何も危険を予測できないということは、普段から自分の目に入ってくる情報から何も分析できていないと言うことだ。
そのような看護師や理学療法士や作業療法士、言語聴覚士は、患者さんの観察力が乏しいのではないと思う。普段からの「観察」と言う評価の手段を十分に行えていない。だから、危険を予測できないのではないか?
患者さんに対して、観察という行為から得られた情報をもとにして、どのような看護やどのようなリハビリテーションを行うべきかということを考える習慣が日常化されていないのでしょうね。
観察するという行為
これは見るというだけの行為ではない。
見たことを、箇条書ききできるくらいに、リストアップする能力が必要だ。リストアップ出来るからこそ、リストのそれぞれに対して、何をすべきかということ考えられる。
漫然とボーッとなんとなく見ているだけではダメなんだ。
ぜひ、見たことをリストアップできる能力を身につけてほしい。観察から得られた情報をカルテに書く習慣が身につけば観察能力は高まるはずだ。
そして、観察によって得られた情報から看護師やセラピストとして対応が必要な情報とそうでない情報を分ける。対応が必要なら、何にすべきなのかを考え実践する。
観察→検討・分析→分類→対応の実践
これを繰り返し実践することで、観察から得られた情報に対する行動のデータベースが自分の中に出来上がってくる。そうすると観察から得られた情報に対する予測が出来るようになってくる。
そうなれば、危険予知はスムースに実践できるようになる。
観察からデータベースを作る
データベースといっても、ノートを作ったりするわけではない。自分の中に蓄積された経験がデータベースなんだ。
同じ場面を観察したときに、過去の経験と照らし合わせて、危険と思われることを推測できるようになれるのが危険予知なんだ。
自分の過去の経験や失敗だけでなく、他のスタッフの経験や失敗を学ぶことによって、さらに自分のデータベースを蓄積する。データベースが大きくなればなるほどより具体的に危険予知が出来るようになるし、危険かどうかの判断力も高くなる。
自信がなければ、ホントにノートを作ってまとめていっても良いと思う。
だから、ボーッとなんとなく見ているだけではダメなんだ。
本を読んで勉強しているだけではダメなんだ。
とにかく観察、観察、実践、実践、蓄積、蓄積。
これの繰り返しだ!
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