転職や進学の候補として、リハビリテーションに関係のある理学療法士、作業療法士、言語聴覚士を選択するのか、看護師を選択すべきなのか迷っている方も多いようだ。2013年現在で高校2年生の娘は看護師になりたいようです。私が作業療法士で嫁さんは看護師ということもあり、「子供さんには将来どちらを選んでほしいですか?」なんて聞かれたりする。そんな時、作業療法士である私は、迷うことなく「看護師を選んでほしい」と答えています。
人数が多い看護師、それが力なんです
リハビリテーション職と看護師の人数の比較については 医療業界でリハビリは少数派 という記事にまとめている。看護業界は歴史が長いということもあり、看護師の人数は非常に多い。医療業界で働いているものとして、この人数の多さは魅力的だ。読売新聞の記事によれば2013年現在で就業している看護師は約150万人もいてるのになお不足していると書いてある。
看護師のいない病院はあり得ませんが、リハビリテーションを実施していない病院はたくさんある。そのことからもリハビリテーションと看護師とでは需要に差がある事がわかる。
一般的には「看護師」と「リハビリテーション」どっちが将来性があるのかみたいな記事では、お給料のこととか、休みの日数とかの待遇面が強調されることが多い。そんなことよりも 数こそが力 なんだと私は思う。
政治力のある看護師
数こそが力 と私が考える最大の理由は看護団体に政治力があるからだ。看護師の国会議員は大勢いるし、大臣経験者もいる。それに比べると2013年9月時点でリハビリテーション関係の3職種、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士での国会議員はわずかに1名で大臣経験者などいない。
医療業界は、サービスの価格を自分たちで決めることが出来ない。すべて 保険点数 という形で国により価格が決められている。だからこそ、全国どこでも同じ価格で医療が受けられるのである。リハビリテーションでたとえるなら、非常にベテランの作業療法士が治療しても、新人さんが治療してもその値段は同じなのである。
じゃあ、そのサービスの価格 保険点数 はどこで決められるのかというと厚生労働省の審議会などでの話し合いを経て決められることになる。その時に発揮されるのが業界団体としての政治力である。
医療保険の点数は2年に1度改定される。ここ数回の改定でリハビリテーションの点数は下がる一方だが、看護師に関するものは新設されたり、上がったりしているものも多い。現在私は訪問看護ステーションに勤務しているが、訪問によるリハビリテーションの点数は前回の改定で下がった(医療保険ではなく介護保険ですけどね)、しかし看護師の訪問になると加算される点数が増えていたり、新たに加算が取れる項目が新設されていたりする。訪問の分野に限ってみても、このように年々看護師は有利な改定になっているのである。
その理由としてはやはり業界団体としての看護師の力が大きいからに他ならない。
将来的にも有利
リハビリテーション職種の人数はそう簡単には増えることはない。学校の数が圧倒的に違うからだ。そのことから見ても、今後リハビリテーション職種の人数は増えるが、それを上回る勢いで看護師も増える。そうなると、ますます看護師の政治力というか業界団体としての勢力は拡大するのである。
健康保険で賄われている私たちの医療ですが、その源は税金なわけです。税金が足りなくなってきたら保険点数も下がるんですよ。同じことをしても点数が下がったら、私たちのお給料も減ります。保険で賄っている医療費のうちリハビリテーションに使われているのは全体のうちの数パーセントだという試算もあります。数パーセントが0になったらお手上げです。
でも看護師にかかる費用が0になる事なんてありえない、だって看護師の力が医療業界で不要とされることはあり得ないからです。
だからこそ、私は「リハビリと看護師とどちらがいいですか?」と聞かれると、間違いなく「看護師です」と答えるのである。
娘も今のところ看護師になりたいと考えているので、うれしい限りである。
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