看護師を嫁に持つ、訪問リハビリテーションの現場で働いている作業療法士が、看護師さんの転職先としての訪問看護ステーションについて考えてみたい。このサイトのいつものことですが、訪問の現場で働いている視点から書いておりますので、教科書的な内容とは異なります。その分現場視点でしっかり書いてみます。
訪問看護ステーションの現状
げんざい、介護保険の改定などにおいても訪問看護ステーションについては検討されている。
そのことが話し合われている厚労省の 中央社会保険医療協議会総会 に詳しく資料が掲載されています。
この資料からわかることは、訪問看護ステーションの設立数はここ数年であまり増えていない。
病院の看護基準の変更などに伴い、訪問看護ステーションに人材を出す余裕のない病院などは訪問看護ステーションを閉鎖するなどして、看護基準を維持するようにしていることなどもその要因であると聞いている。
リンク先の資料にも掲載されているが、訪問看護ステーションの規模が大きいほど営業収支が黒字化する傾向にある。
訪問看護ステーションは人材不足
上記の資料にも記載されているが、現在法的には2.5人の看護師がいれば訪問看護ステーションは開業できる。医療法人が設立している訪問看護ステーションは比較的人材が多いが、小規模なステーションは常に人材不足である。
人材が少ないということは、ステーションとして訪問することのできる件数が減るという事なので、売り上げも減ってしまう。看護師の数が多ければ訪問件数が増えるので売り上げも増え黒字も増えるのである。
だから、ベッド数に上限のある病院などと異なり、看護師の数が多ければ多いほど、多くの患者さんを訪問することができて売り上げを伸ばすことができるのである。
そういう点では、訪問看護ステーションは常に人材を求めているのである。
小規模なステーションほど人材が不足する
看護師は女性の多い職場である。そのため、結婚、出産、育児の影響を受けることの多い職場環境である。人員の少ないステーションなどでは、このような影響を受けやすい。
だから、病院などに併設されていない、独立系の訪問看護ステーションは常に人材不足なのである。
訪問看護ステーションという職場のメリット
時間を区切って仕事ができる
私は現在非常勤掛け持ち仕事をしているため、複数の訪問看護ステーションに勤務している。どちらの訪問看護ステーションにも主婦や子育てママさん看護師がいる。
病院での業務と異なり、訪問の現場は一軒一軒患者さんの家に出向いて仕事をする。
それぞれの家に何分くらいいて業務をするのかってことも決まっている。
〇時〇分にはAさんの家
〇時〇分にはBさんの家
というように訪問する曜日や時間が決まっているのである。このことは、子育て中のママさん看護師には非常に大きなメリットである。
- 子供を保育園に送っていってから、出勤したい
- 保育園や幼稚園に行ってる時間帯だけ勤務したい
- 半日だけは実家の両親が子供を見てくれるので、半日だけ働きたい
- 毎日は無理だから週2日だけ働きたい
というような勤務形態が可能となるのである。
残業が少ない
「どの曜日の何時ごろに誰の家に訪問する」ってことが決まっているのが訪問看護ステーションの業務である。
病院でも訪問看護でも急変する患者さんはいるが、そんなにしょっちゅう急変することはない。だから、だいたいは定時に仕事を終わることができるのである。
じっさいに、私が勤務している訪問看護ステーションの看護師さんたちはほぼ定時に業務を終えている。
訪問看護ステーションの診療報酬は、時間に応じて診療報酬が決まっているので、長くいればいるほど診療報酬が増えるというものではなく、上限は決まっている。だから、急変などを除けば、長く訪問することによるメリットは少ない。
そのようなこともあり定時に終了できる事業所は多い。
訪問看護ステーションのデメリット
訪問中は一人になるってこと
訪問看護ステーションの業務は基本的には一人で患者さんの家に行くことになります。
- バイタルを測定する
- 点滴をする
- いろんな処置を行う
- 褥瘡への対応をする
などなど患者さんの状態に応じて、主治医から指示されている内容に基づいて業務を行います。
病院では、ちょっと困ったことがあれば病棟の詰所に他の看護師がいて応援を求めることはできますが、訪問看護ステーションではそのような応援を頼ることはちょっと難しい。
電話連絡で訪問看護ステーションの管理者さんがやって来るステーションも多いですが、基本的には一人で対応することが求められます。
そのあたりの不安が少し付きまとうかもしれません。
管理者さんとのお付き合い
訪問看護ステーションの代表は管理者である看護師。病棟でいうところの師長さんみたいな感じですが、運営そのものを取り仕切っているのが管理者さんなんですよね。
だから、管理者さんの運営方針によっては、非常に重度な患者さんばかりを対応するステーションとか、リハビリに力を入れているステーションとか、管理者さんのカラーが出るのが訪問看護ステーションの魅力。
その管理者さんとうまくおつきありできるのかどうか、というところが訪問看護ステーションの難しいところ。
病院であれば、多くの配置先がありますが、訪問看護ステーションは同じメンバーでずーっと仕事をしていくことになります。
管理者さんと相性が悪ければ長く続けることは難しいと思います。
転職するならこんなことも確認しよう
訪問のスタイル
移動手段を確認しましょう
- 徒歩
- 自転車
- 原付、バイク
- 車
そのステーションがカバーしている営業範囲にもよりますが、あなたの能力で対応できる移動手段なのかどうかを確認しましょう。
勤務時間、勤務シフト
24時間対応している訪問看護ステーションさんの多くは、夜間対応の携帯電話当番などを決めておられます。そういったことをおこなう必要があるのかどうか?子育てママさんなら確認したほうがいいですね。
とくに、子育てママさんなら
- 週何日働けるのか
- 子供を預けている時間だけでも良いのか
- 残業はあるのか
- 子供が体調不良の時の勤務はどうなるのか
といったところも確認しておく必要がありますね。
管理者さんの人柄
男性の私にはよくわかりませんが、看護師である妻はよく言っています。
「看護師は女の世界、相性ってやっぱり大事」
面接のときとかに管理者さんの人柄をつかむことって大事ですよ
転職サイトも活用してみよう
訪問看護ステーションとひとくちにいっても、いろんな求人条件があります。
子育てママさんならやっぱり、自宅から近所の訪問看護ステーションのほうがいいですよね。しかし、近所といってもけっこういろんなステーションがありますから、転職サイトなどを効果的に活用して、自分に有利な職場を探すのが賢い選択というものです。
また、旦那さんの転勤などで新しい職場を探さなければならない方にとっては、引っ越し先に知人や友人も少ないと思うので転職サイトを利用してみましょう。
転職サイトへの登録は在職中でも可能ですし、登録してから見ることのできる求人情報も多数あります。
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