敬遠せずに取り組んでほしい、小児領域の訪問看護とリハビリ

私がリハビリのことを中心に書いているブログでも、検索数が多いのが「小児領域の訪問リハビリ」の記事である。看護師さんが検索して訪問してくれているのか、ご家族さんによる検索なのかは不明ですが興味ある方が多いので、こちらでも記事にしてみます。

 

小児でも制度的には対応できます

医療保険で訪問ができます。医療保険による訪問看護ステーションからの訪問についてはいろいろと制約があるのですが、小児であっても在宅に出向くことは可能なんです。
保険制度については リハビリ向けブログに記載 していますので興味ある方はご覧ください。

制度では可能だが、敬遠されがちな小児の訪問看護&リハビリ

私は訪問をメインとする事業所で働く作業療法士です。私は大人や子供の関係なく訪問していますが、多くの理学療法士や作業療法士、言語聴覚士は大人の対応はしても、小児の訪問は敬遠しがちです。

先日参加した研修会で講師をされていた、訪問看護ステーションの管理者である看護師のMさんも

「リハビリだけでなく、看護師も小児の訪問には敬遠しがち」

と話されていましたので、同じ状況なのだと思います。

何故敬遠されるのでしょうか?
Mさんが講義で話されていたことと、私が研修会でよく話していることはほぼ同じなので、看護師さんも理学療法士も、作業療法士や言語聴覚士も同じ理由で敬遠していると推測されます。

小児領域の経験がないから、不安

小児領域の訪問を敬遠される最も大きな理由がこれだと思われます。

経験がない

そらまあ、確かに経験がない領域って言うのは不安なんでしょう。でもね、誰にとっても「初めて」って言う瞬間はあるんですよ。看護師として働き始めた時、理学療法士や作業療法士として初めて患者さんを担当した時、経験がなくて不安だったでしょう?

それでも、お仕事を続けてこられたのは、その領域で頑張って研鑽を積んだからですよね。

それと同じことを今度は小児の領域で始めればいいんじゃあないでしょうか?いきなり小児領域のエキスパートになることはできません。

でも、はじめなかったらいつまでも経験を積むことはできないのです。

あなたは、今働いている領域のエキスパートだと胸を張って言えますか?その領域なら不安はまたくないのですか?

ごく一部のエキスパートの方を除いて全く不安を持たずに働いている方っていないと思うんですよね。だったら新しい領域に足を踏み入れてみてはどうでしょう?

 

作業療法士として23年目を迎えるシーズンの私でさえ新規の方の訪問には今でも緊張します。

 

特殊なことではなく基本的な看護とリハビリが求められています

「経験がない」って言う方の多くは、小児領域の訪問看護や訪問のリハビリに対して

なんか特殊な技能を求められるのではないのか!

って思いこんでる方もいるようです。特殊な技能が求められる事が皆無ではありません。

でも、小児領域の訪問看護やリハビリに求められているのは基本的な看護やリハビリなのです。

前述した訪問看護ステーションの管理者の看護師のMさんも研修会で同じことを話されていました。

看護師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士として、まず基本的な評価やかかわりやアプローチをすることが重要なんです。小児であっても大人であっても基本的な対応って代わらないんですよ。

あなたのこれまでの経験を十分に発揮できるのです。

養育者(主として母親)への対応

大人の看護やリハビリとちょっと違うのは、主たる介護者のかかわりの比重が大人の患者さんよりも多いこと。とくに、子供さんが重症であればあるほど、コミュニケーションも取りにくいことからお母さんのかかわりが多くなります。

だから、子供への対応と同じくらいお母さんへの関わり方も重要になってきます。

  • リハビリや看護のケアの指導
  • 育児そのもののアドバイス
  • お母さんへのケアやフォロー
  • 悩み事相談

なんかも業務の範疇に入ってきます。

でも、家族に対する支援って高齢者や大人の患者さんに対しても日常的に行われていることですよね。小児領域だけが特別ってことはないと思います。

在宅でフォローが必要なケースは増えている

月並みな言葉ですが、医学の進歩とともに在宅で生活できるようになった重度の子供さんは増えています。

いわゆる超重症児といわれるようなケースは全国に7000人~9000人程度といわれています。

今までは病院でしか生活することができなかったのですが、医療機器の進歩などにより、超重症児であっても何とか在宅で生活することができるようになってきたんです。

通院するよりも家に来てくれた方が便利って言う利用者さんもいますが、外に出かけられるならなるべく通院してほしいですね。

でも、超重症児といわれるような子供たちは、多くの医療機器に囲まれて在宅生活を送っているので、気軽に外出できないのです。

だから、訪問による看護やリハビリテーションのサービスを熱望されているのです。外に出ることが困難なので、訪問によるサービスを受けるという選択肢しか残っていないのです。

それなのに、訪問を断る事業者がいるということは非常に残念なことです。

なんとかして、訪問の看護師さんや理学療法士、作業療法士、言語聴覚士などの職種の方の理解を深めていきたいと考えています。

このブログの作者である 作業療法士のやまだ が主催しています、やまだリハビリテーション研究所では今後も定期的にこの領域の研修会を開催する予定です。

看護師求人紹介 【ナース人材バンク】

(スポンサー広告)

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です