実践!リハビリテーション看護9 更衣動作へのアプローチ

更衣の評価のポイントにつづいて回復期リハビリテーション病棟で看護師さんが実践すべき、更衣動作への取り組み、アプローチについて書いてみました。

更衣動作って大事なんですよ。筆者は現在訪問看護ステーションから訪問リハビリに従事していますが、訪問の時に患者さんが着替えているかどうかってことを目安に生活リズムが整っているかどうかってことを判断しています。

毎日着替えることは、生活リズムを整える第1歩なんですよ。脳卒中の患者さんの更衣への関わりについて書いてみます。


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上着の更衣の順序

上着を着るときの基本

脳卒中による片麻痺患者さんの上着の更衣動作の基本は

  • 着るときは、麻痺側の上肢から袖を通す
  • 脱ぐときは、非麻痺側の上肢から脱ぐ

これが基本です。

麻痺しているほうの上肢はスムースに動かすことができないのです。だから、服にゆとりのある方が袖を通しやすいのです。着るときに動きがいいほうの上肢から袖を通してしまうと、麻痺側の上肢を通すときに非常に窮屈になってしまって袖を通しにくいのです。だからまず、麻痺側上肢から袖を通すことが基本なのです。

同じように、服を脱ぐときも最初が一番窮屈になるので、まずは動きの良いほうの腕から脱ぎ始めて、麻痺側の上肢を後にするのです。

せっかちな左麻痺患者さんの場合

脳卒中の左片麻痺患者さんの中には、非常に多弁で動作がせっかちな方がいます。

「できるできる」

という割には動作が拙劣となりやすいのです。看護師さんにしてみれば、

  • 麻痺していない方の動きもよいのに何で着ることができないの?

って思ってしまうことが多いのです。

左片麻痺の患者さんは、動作の組み立てやイメージがきちんとできないことが多いのです。動作が拙劣で下手に見えるのは、脳卒中の症状の一つなんです。

だから、そのような患者さんに

  • もっとこっちから動かさないとダメ
  • ちがうちがう次はこっちから

というような口頭指示を与えると余計に患者さんが混乱してしまうことが多いのです。

動作がせっかちで拙劣に見える患者さんに対しては口頭指示ではなく、

  • 慌てて動いている動作を一度止めてあげる
  • 口頭指示ではなく、少し介助して援助する

事でスムースに着替えることができることが多いんですよ。

ズボンの更衣の順序

ズボンの場合も、上着と同様に

  • 着るときは、麻痺側の下肢から足を通す
  • 脱ぐときは、非麻痺側の下肢から脱ぐ

これが基本です。理由は上着と全く同じです。

立位バランスが安定しているかどうかを確認する

上着の着脱と異なり、ズボンの着脱で最も注意しなければならないのは立位のバランス機能です。立位が不安定な場合は転倒するリスクが高くなります。そのため、立位バランスが安定しているのかどうかという確認を行う必要があります。

  • 何も持たずに立ち続けることができる
  • 軽く屈伸してもバランスを崩さない

これくらい安定していれば一人でズボンの着脱を行える可能性は高くなりますが、難しければ立位を介助する必要があります。

毎日の更衣は生活リズムの確立につながる

朝起きて着替える、夜寝る前にまた着替える。

だから、生活のリズムが整うのです。3度の食事に加えて、着替えることで生活のリズムが生まれてきます。

食事動作やトイレ動作に比べると、アプローチの優先順位が低くなりがちな更衣動作なのですが、生活リズムを整えるためには欠かすことのできないADLなんですよ。

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